BSフジ プライムニュース・5/5放送分

最終更新日 2025年5月5日

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「服」に国家戦略が? 指導者らの装いを考察 服飾に見える社会情勢

ゲスト

平芳裕子(他のご出演記事・著書など[無い場合あり]amazon楽天市場) 神戸大学大学院教授


先﨑彰容(他のご出演記事・著書など[無い場合あり]amazon楽天市場) 思想史家 社会構想大学院大学教授

中野香織(他のご出演記事・著書など[無い場合あり]amazon楽天市場) 服飾史家

 

抜粋

2月、ゼレンスキー大統領とトランプ(楽天市場で探すamazonで探す)大統領がホワイトハウスでの会談でもめた際、欧米系メディアが「この場にスーツを着てこないゼレンスキー大統領は非礼だ」と報道した件について

平芳氏「ゼレンスキー大統領が来ていたのはGASANOVAというウクライナのブランドで、ウクライナの国章がポロシャツに刺繍されたものです。つまり、ウクライナで製造されたものを身につけることでアイデンティティーを表していた可能性がある」

 

いつからこういう場ではスーツとなったのでしょうか?

中野氏「まず、大英帝国時代、植民地支配で権威を示す際に、こういったスーツを身に着けるようになったとされています。つまり、スーツを着ることで権威が上である、ということを相手に示すことができます」

「そのうえで、欧米メディアがゼレンスキー大統領が非礼だと言ったのは、あくまでも政治的な意図が感じられ『こんな無礼なヤツが来た』というメッセージを送る意図があったのではないかと思います。ですから、(会談で)ポロシャツだから非礼というのではないと思います」

 

トランプ大統領(楽天市場で探すamazonで探す)の服装について

中野氏「トランプ大統領は以前から、大きめのスーツである点、そしてネクタイが通常より長めというのが特徴です」

4月ローマ教皇の葬儀におけるトランプ大統領の服装

中野氏「紺色のスーツなので、俺様流だなと。1月のカーター大統領の葬儀では黒のスーツを着ていたので持ってはいるはずです」

平芳氏「教皇の葬儀で水色のネクタイだったので、一般の参列者と一緒の写真で撮られても、このネクタイの色だと、どこにトランプ氏がいるのかわかる、SNSなどを意識して存在感を示したかったのかもしれません」

 

ローマ教皇の葬儀で、ウイリアム王子が紺色のスーツだった点

中野氏「イギリスにはイギリス国教会があり、(ローマ教皇の)カトリック教会とは異なるので、カトリックが黒なので、我々は少し違う色ということで紺色を選んだ可能性」

 

 

オバマ大統領が1期目の2009年、2期目の2013年タキシードで登場した際

中野氏「2009年の時、タキシードにホワイトタイで登場されたのですが、まずタキシードには黒タイが決まりです。また、ポケットに雨フタがついていたのですが、これはカントリースタイルであって内装用には雨フタはつけないことになっているので、仕立ての段階から間違えていたのではないかと噂されていたのですが、4年後にも同じスタイルで登場された。

ということはオバマ氏は間違っていたのではなく、意図的だとわかったわけです。で、本人から聞いたわけではないので答えではありませんが、おそらくですが、ここまでお話したことはイギリスで作られたドレスコードなので、オバマさんは『私はアメリカの大統領である、ドレスコードについてはイギリス流には従わない』といったメッセージがこめられていたのではないか?と感じます」

 

先崎氏「大宝律令ができる6年前、遣唐使が派遣されたのですが、中国から見れば日本は劣った国と思われたぐらい国家として未熟でした。その後、再度訪中した時、その遣唐使は中国と同じ衣装を着ていったそうです。つまり、未熟と思われたが、衣装だけでも同じレベルにして、対等の国家として訪中した、という高い意識を持っていたと思われます。さらにいえば、遣隋使の頃、中国の人々は黄河流域に住んでいたため、寒い為、衣装を着ていました。その一方、日本は比較的温暖な気候だったためか、裸に近い衣装だったので、中国の人達から見れば『日本は野蛮で劣った国』と見られたわけです。何が言いたいのかと言いますと、対外的な場だと服装で相手の国がどんな民族なのかと判断される場合あると言いたいのです」

 

複数のご意見から

(吉田茂首相。駐英大使の経験がありイギリス通。ステッキを持つなどイギリス文化を日本でも体現していた。ただ、サンフランシスコ平和条約の際、英語が堪能な吉田首相だが、側近のアドバイスを聞いて、後半はすべて巻物を使って日本語で声明を出した。そこにはおそらく、服装は欧米に合わせたが、日本語を話すことで『各国と条約は交わすが、日本そのものを失ったわけではない』という意図、意志が感じられた。当時の日本はドイツ文化が主流だったが、イギリス文化を取り入れた時期でもあったし、日本は明治維新そして大戦での敗北、この2つの衝撃的な出来事で、文化が変わっていった)

 

ネクタイ 斜めデザイン「レジメンタルタイ」と言われています。

中野氏「ほとんど知られていないのですが、この斜めデザインは『連帯』を表すものです。ですから、同じ会社、同じサークルでこのデザインのネクタイをするのは望ましいのですが、国際的な場でそれを身につけるのはふさわしくない、とされています」

「ですので、トランプ大統領と安倍総理(楽天市場で探すamazonで探す)との会談において、安倍総理のレジメンタルタイはよくなかったと思います」

平芳氏「安倍総理のネクタイの特徴は、くぼみ、ディンプルを造っているところで、これは良いセンスだと思いますし、安倍総理を見習ったのか、何人かの議員もしている人がいます」

中野氏「たしかにディンプルは良かったのですが、ある葬儀でもそのディンプルを安倍総理はされていたので、それはちょっと止めて頂きたかったです」

 

歴代首相で着こなしがうまいのは?

中野氏「麻生元総理です。小物も含め、言うことなしで、あくまでも服装においてですが、いつ見てもホレボレします。ですので、できれば麻生元総理に全国会議員に着こなしのアドバイスをして欲しいぐらいです」

 

提言:現代におけるファッションとの向き合い方

平芳氏「教養。政治経済などいろんな分野に関わっているので」

先崎氏「時代。服装には思想や哲学がある」

中野氏「装いの向こうに世界を想像しよう。内面にある価値観や文化を想像すべき」



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投稿日 2025年5月5日
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