３人の元防衛相に問うアフガン撤退の教訓は自衛隊法見直しの是非
出演者 森本敏氏、中谷元氏、小野寺五典氏
■森本氏「今回のアフガン撤退作戦は、結局バイデン氏個人の長年の思惑だったと思う。そもそも、タリバンと議論を重ねず期限日だけを先に決めて撤退した。（綿密な打ち合わせのいる）撤退作戦が一番難しいんですよ。そのアメリカに日本が引きずられた。自分の国は自分で守らないと」
■台湾で有事が起きた場合
小野寺氏「台湾は国じゃないので議論が進まない。台湾で有事が起きた場合、多くの邦人や台湾人が退避する先として、一番近い与那国島に退避することになるが、あんなに小さい島に大量の避難民が到着した場合、色々と問題が起こると思う」
森本氏「台湾有事は第１フェーズに入ったと思う。日本政府は台湾とその旨、議論したいが、対中関係のこともあり、日本は台湾に声をかけることすらできない。つまり朝鮮半島よりも困難」
■朝鮮半島で有事が起きた場合
米韓で打ち合わせしている。ただ韓国が日本の海自艦の入港（着岸）を拒否しているので、非戦闘員の退避はアメリカにお願いしている。ただし、海自艦による米艦の護衛は可能となった
■救出が遅れた要因の１つとして
小野寺氏「自爆テロの発生でタリバンが門を閉めてしまった。もう１日早ければ、という後悔がある」
■自衛隊法84条の3,4の「邦人等」について
小野寺氏「邦人が1人でもいれば大使館関係者(外人であっても)を輸送できるが、邦人が1人もいなければ輸送できない。その部分の改正が必要かもしれない。 憲法の解釈については、これまでの政権の解釈との照合が必要である」
■アフガンのタリバンの新政権について
森本氏「アメリカになくて日本にあるのが政府承認制度。その制度で日本は自由に会えない。そもそもブラックリストに入っている人が新政権にいる。タリバンを承認するのか？日本が政府承認しなければODAの話などできない」
■森本氏の提言「日本政府はもっと危機管理を」
「江戸時代から天災が起きるたびにパッチワーク的な復旧をする、もう日本はいい加減にすべき。阪神大震災の時おそらくドイツの大臣だったと思いますが、『100人以上死者を出す国は先進国ではない』と言っていたと思う」
森本氏「アフガンで日本政府が一番、邦人や関係者を救出できなかった。世界各国はそのように日本を評価するし、日本の国威にも影響が出る」
■新政権について
小野寺氏「優秀なピッチャーを多く抱えた球団が有利なように、自民党もそうあるべき。そして菅総理の辞任によってオープンな総裁選になりマスコミに注目され、支持率上昇につながっている。今はコロナ禍なので国民に耳を傾けるような人、岸田氏に総裁になって欲しい」