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スリランカが国家破産 中国「債務の罠」とは 佐藤正久×興梠×朱ほか
ゲスト
佐藤正久(他のご出演記事・著書など[無い場合あり]楽天市場で探す) 自由民主党外交部会長 参議院議員
朱建榮(他のご出演記事・著書など[無い場合あり]楽天市場で探す) 東洋学園大学教授
興梠一郎(他のご出演記事・著書など[無い場合あり]楽天市場で探す) 神田外語大学教授
抜粋
興梠氏「ソロモン諸島と中国との軍事協定はおそらく反対派議員がリークしたと思うが、それにより中国軍が寄港したり上陸することができるようになった。中国はあちこちに港を作りたい。その理由は、アメリカが中国に攻めてきた時に、逃げ道を作りたい。だから太平洋諸島なのだろう。しかし、以前は比較的中国と親しかったニュージーランドはソロモンとの軍事協定で中国を警戒し始めたので、中国は失敗したと思う」
佐藤氏「7月の太平洋諸島フォーラムで6か国が欠席したのは、ソロモン諸島が4月に出し抜けで中国と軍事協定を結んだことに反発したからです。この地域は島しょ国ですから、『集まって』というのが基本なんです」
興梠氏「まず中国は一枚岩ではない。中国企業は必ず回収できるとは限らない途上国への融資に乗り気ではなかったが、一帯一路は習近平氏の国家プロジェクトなので融資。コロナによって返済できない国が出て来た」
佐藤氏「今の中国はお金を回収したいが、途上国は返済遅延」
反町氏「朱さん、中国が悪いとか欧米諸国が悪いとかではなく、これは発展途上国で中国や西側の両者が貸しこんで、せめぎあっているようにしか見えない」
興梠氏「佐藤さんが言われたが、お金が余った中国がインフレ抑制の為に、途上国への融資をし、リターンを求めた。だから中国は外貨建てにしているのです」
朱氏「中国がスリランカに融資しているのは10%だけ。『10%のどこが中国による罠』なんですか?」
佐藤氏「10%以外に、ソブリン債の中に中国資本が入っている。こういうのは中国による借金漬けによる一帯一路の典型的な手法です」
興梠氏「港に中国が融資した金利は6.3%。また、スリランカが返済できないとわかったのでIMFに相談しようとしたら、中国が『さらに融資する』つまり、借金を借金を返せという、中国国内でも問題のあるやり方を提案し、スリランカは受け入れた。また、朱さんが『40%資本主義国から借りている』と言ったが、その40%の内訳は明確ではない。スリランカの民間企業、銀行がその中に含まれていないだけで、40%がどこから借りているのかIMFでも不透明になっているので、IMFはスリランカに『融資の相談にのるから、説明を』と求めているところ」
朱氏「スリランカは、中国からの融資ではなく資本主義国からの融資で破産した。金利が高く返済できないから中国に助けを求めてきたから助けただけだ。中国の債務の罠ではない。植民地時代と同じことを資本主義国がやって、スリランカはじめ途上国は腐敗している。中国がスリランカに融資しているのは全体の10%です」
佐藤氏「技術が海外企業に漏洩しないようにと国内の法整備はできたばかり、一方、海外の日本企業への法整備はまだまだで、中国には日本企業が3万拠点あり、彼らが持つデータが最悪、中国政府に搾取されてしまう危険性があるので、早急に法整備したい」