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ゲスト
山下裕貴(他のご出演記事・著書など[無い場合あり]amazon・楽天市場) 元中部方面総監 元陸将
広瀬佳一(他のご出演記事・著書など[無い場合あり]amazon・楽天市場) 防衛大学校教授
高橋杉雄(他のご出演記事・著書など[無い場合あり]amazon・楽天市場) 防衛省防衛研究所防衛政策研究室長
抜粋
高橋氏「ザポリージャ原発(楽天市場で探す)に(ロシア軍の)ロケット砲(射程7,80km)がいて問題点は原発があるので反撃できない」
反町氏「レオパルト2が破壊された映像について」
レオパルト2A6・2A4 3両
ブラッドレー歩兵戦闘車 11台
装甲車AMX-10RC 2台
高「破壊された車両は正面がやられたようには見えないのでロシア軍の戦車というより、戦闘ヘリ・ドローン・地雷など3次元的に攻撃を受けた可能性がある」
「ただ、ドローンなので積められる弾薬は少ない」
山下氏高橋氏「砲台は破壊されていませんし、ハッチが開いているので、兵士は逃げることができた可能性がある」
広瀬氏「1994年ブタペスト覚書 ソ連の核兵器が領内に残っていたウクライナに対し、核兵器の全廃を条件にNPT体制への移行を約束した覚書。アメリカイギリスロシアがウクライナに約束をしたが、2014年ロシアがクリミアに侵攻したため覚書自体、無意味に。クリミア侵攻の際、アメリカ・イギリスは何も対処していない」
山下氏「ウクライナはブタペスト覚書でアシュアランス(約束)を破られた思いが強いはずです。ですから、7月のNATO会議でも、それなりの要求(ギャランティ、義務)をすると思います」
山下氏「ドイツ軍は兵器の能力は高く、メンテナンスもしっかりしているので、ウクライナに提供できるものがあった」
反町氏「仮に停戦になった時、アメリカやイギリスの停戦監視団の(ウクライナ領地への)受け入れをロシアは受け入れますよね?」
高橋氏「ロシアは拒否すると思います」
反町氏「米英がブタペスト覚書を破ったことに対し、日本がウクライナに何かを言うということは?」
広瀬氏「それは無理です。日本は終戦後の復興支援が主だと思います」
山下氏「NATOの東京事務所を開設すると言ったら、マクロン氏は『NATO範囲は北大西洋だ。太平洋は管轄外だ』と言った。太平洋に仏領があるので本来はあったも良いと理解できるはずなのに。仏は外交力が高い」
広瀬氏「やはり中国に配慮していると思います。仏は中国に融和的なので」
山下氏「ロシア式は『防御しろ』という指示なら、司令官が指示しない限り反撃しない。それは責任が司令官なので。一方、欧米式は突破できたら、各部隊の判断で進軍できる。いちいち上の指示を仰いでいたら時間がかかるから。つまりロシアの指示系統は単純」
広瀬氏「ウクライナ侵攻(楽天市場で探す)前のNATOは結束が乱れ、漂流状態だった。それはトランプ元大統領の影響が大きかった。ただこの侵攻によってNATOは結束しているが、各国ごとにロシアとのエネルギー依存や今後の選挙によってNATO内での結束にバラつきが出てくる可能性はある」
オーストラリアのF18について
高橋氏「ミサイルの種類などが他機とは異なるので継戦能力が低く、ウクライナの戦力にはなりにくい。」
提言・反転攻勢、今後の鍵は?
山下氏「攻撃衝力の維持」
広瀬氏「NATOの結束。結束できなければ停戦交渉、復興支援もできない」
高橋氏「柔軟性。相手の様子を見て弱い所から突く。2014年クリミア侵攻後からウク軍の真価が問われる」
メールに対し
山下氏「戦車は戦闘ヘリには弱いので、携帯式防空ミサイルをもっと供給して兵士を散開させられれば戦車を防御できるはず」
高橋氏「2022年秋に供与が決まった152mm砲がそろそろ供与される始めると思う。」
広瀬氏「仏は元々NATO内でフランス中心の秩序を創りたがっているので、相反してNATOとも距離を置く可能性やロシアに近づく可能性もある」
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ゲスト
小野寺五典(他のご出演記事・著書など[無い場合あり]amazon・楽天市場) 元防衛大臣 自民党安全保障調査会長
伊藤弘太郎(他のご出演記事・著書など[無い場合あり]amazon・楽天市場) キヤノングローバル戦略研究所主任研究員
抜粋
反町氏「世界各国の軍事費が増大していますが」
小野寺氏「NATO諸国がウクライナに武器供与をしているので、その代わりに自国の武器を補強しているので」
→昨日、高橋氏が言われた「武器を新式に変えるマネーロンダリングみたいなことが起きている」という話
新美アナ「韓国が売れた理由は」
伊藤氏「ウクライナ戦争です。2022年7月にポーランドが爆買いしたことです。韓国企業自体『こんなに買ってくれるのか?』と驚き、今後、売れなくなるのでは?と心配したそうです。また韓国はメンテナンスの仕事も約束されたでしょう」
「K2戦車 980輌、K9自走榴弾砲 648輌、FA-50 48機」
反町氏「このK2戦車の性能は?なぜ売れる」
伊藤氏「エンジンはドイツ製で大半の部品は輸入品です。値段はレオパルト2と変わらない。ただ売れる理由は戦車の空いた空間に相手国の要望のカスマイズつまりオプションが豊富な点が売りで、電子戦対応の付加等」
反町氏「日本のヒトマルだって性能は良いですよね?」
小野寺氏「もちろん性能は高いです」
反「戦車の話って家電と同じで、日本の家電は機能が良すぎて高い」
伊藤氏「そうです。シンプルな韓国家電の方が売れる。あと韓国は戦争の経験があるので」
伊藤氏「FA-50軽戦闘機はロッキードのT50の練習機です。それに武器をつけられたら良いよね?ということでカスタマイズをしたのがFA50です。軽戦闘機でF16の値段で2機買えるという安さも特徴です」
反町氏「ロッキードの許可は?」
伊「もちろん輸出ごとに必要です」
小野寺議員「防衛装備品の輸出の可否はNSC(国家安全保障会議)が判断し、その後、経産省が判断します」
「これまで海外に輸出した装備品は、インドネシアに輸出したレーダーぐらいだと思います」
小野寺議員「日本車は世界で認められています。つまり世界各地で乗れる車を開発する技術を持っているので軍事車両にも応用できるはずです。にも関わらず、自衛隊の車輛ですら日本で開発できない。このままでは日本の軍事技術は衰退の一途です」
小野寺議員「日本の大学で軍事の基礎研究をした教授が公表した途端、大学内の教授会でその教授が潰されるわけです。数は少ないものの、自民党以外の支持政党の教授がNoisy Minorityとなって、公表した教授は手を降ろさざるを得なくなる。こんなことが今の時代でもあります」
小野寺議員「F2戦闘機の安全装置は、自動車の衝突被害軽減ブレーキに応用されていますし、F2機体の素材は安全素材として海外でも使用されています。つまり、軍事品であっても我々の生活に役立っていることを知って頂きたい」
小野寺議員「アメリカのライセンス製品を日本で生産することができるのですが、それをそのまま輸出することができなくて、部品の段階なら可能というのが現状。世界で人気のF35戦闘機も小牧で組み立てていますがそのままでは輸出できないので、国民の皆さんにはぜひご理解を」
小野寺議員「防衛産業品で、日本で開発製造したものをそのまま輸出してしまうと日本の技術が漏れてしまうので、少しダウングレードしたものを輸出して欲しいと思います」
伊藤氏「スタンスを韓国型なのか日本独自なのか議論の上決めて前へ。必ずしも完成品としてではなく、素材だけでも輸出できるように、根本から考えを見直した方が良いと思います」
小野寺議員「日英伊で次期戦闘機の開発に至ります。ただ、現状では同じ戦闘機を各国で作った場合、『日本が(武器輸出3原則で)売ってくれないのならイギリスから買います』と言われてビジネスチャンスをみすみす失うわけです。ですから、今からルールを決めておかないと」
提言・日本の防衛産業あるべき姿
小野寺氏「技術の源泉。上積みした研究開発費から民間にマルチユース(複数で多用途)されるようになれば良い」
伊藤氏「したたかにセールスを。防衛産業は安全保障の基盤です」
メールに対し
伊藤氏「防衛装備品は日本では外為法で主に同士国が対象で、第3国への流出は抑止していると思う」
小野寺氏「防衛装備を売った国とは、その事をきっかけに強固な関係が築けると思います」「国営で防衛装備に関する企業を持つより、民間の組織の再編の後押しした方が良いと思う(管理人補足:その方が、防衛技術を他の民間に提供、マルチユースしやすいので)」
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ゲスト
前嶋和弘(他のご出演記事・著書など[無い場合あり]amazon・楽天市場) 上智大学教授(冒頭)
岡部芳彦(他のご出演記事・著書など[無い場合あり]amazon・楽天市場) 神戸学院大学教授 ウクライナ研究会会長
小泉悠(他のご出演記事・著書など[無い場合あり]amazon・楽天市場) 東京大学先端科学技術研究センター専任講師
抜粋
前嶋氏「トランプ(楽天市場で探す ・ amazonで探す)元大統領は機密文書の返還を求めらなかったのに『忙しかった』と言ってなかなか返さなかった点が疑問。またバイデン氏の事務所がチャイナタウンにあったのを『中国とつながっている』とトランプは言っていましたが、それはたまたまだと思います」
トランプ氏が別荘(フロリダ州・マイアミ・マールアラーゴ)に隠していた写真について
前嶋氏「そういう写真を選んだ出した可能性もあるし、実際にあった可能性もある。結局、民主党支持者はトランプが悪い、共和党支持者はバイデンが悪いと思うでしょう。さらに民主党支持者はバイデン政権の司法省が意図的な写真を撮ったとも思うでしょう」
前嶋氏「もしトランプ氏が再選した場合、自分自身に恩赦を出すことができます」
反町氏「来年、トランプ氏は選挙活動をしながら、3,4個の裁判も掛け持ちしているという状態ですよね」
前「今もです。起訴される度に共和党内支持率が上昇しています」
反町氏「もしトランプ氏が大統領に再選したら?」
前嶋氏「彼は過去に24時間以内に戦争を止めさせる。武器供与を減らす。プーチン(楽天市場で探す ・ amazonで探す)を戦争犯罪者にしない方が良いと言っていました」
反町氏「ウクライナにとっては良くない状況になりますね」
ウクライナ軍の武器について
・13日、プーチン大統領「ウクライナ軍は戦車160両、装甲車360両以上を失った。欧米が供与した兵器の25-30%を失った」
・ウクライナ侵攻の公開情報を分析するサイト ORYX 13日までに 「直近の数日間で米国製の歩兵戦闘車ブラッドレー16両が破壊・放棄されたと分析」
※この数字はアメリカがウクに供与した109両の15%近く
小泉氏「ウクライナ軍の被害は出ていますが、兵士は帰還できているようですし、アメリカからブラッドレー15両が新たに供与されたので、兵力としては落ちていない可能性はあります」
岡部氏「動員をかけた時、若いロシア人は国外に逃げましたし、実際、先週私がモンゴルに行ったら多くのロシア人を見ました」
反町氏「何をやっていた?」
岡「ロシア語の先生をしていました」
反町氏「ルカシェンコは核を置く権利や使う権利は無いでしょ?」
小泉氏「全く無いです。彼は『ロシア人に首を絞められない限り核は置かない』と言った1か月後に許可したので、おそらくプーチンに”政治的に”首を絞められたのでしょう。」
小泉氏「元々、ルカシェンコは核配備に反対していたわけで、プーチンによって配備せざるを得ない状況になったので、逆に『我々が核配備を頼んだ』とコメントを変えた可能性があります」 「露川は核配備の映像を流すと思われるが、NATO側が弱腰になるとも思えない」
反町氏「ロシア国防省がワグネルに志願兵契約(年金など)と言っている点は?」
小泉氏「近現代の戦争でこんなことを言う国は無いでようね。その意図はもちろんワグネルを吸収したいのでしょう。ただプーチンは組織ワグネルを半ば吸収したとしても、一部は放任する可能性はある」
反町氏「クリミア半島の9割がロシア併合に求めましたよね?同様にルハンスク、ドネツクにもロシア寄りの人がいるのに、それをウクライナが戦後に統治するのは困難ですよね?」
岡部氏「クリミアは歴史的な理由がありますが、ドネツクの若い世代はウク寄りなので統治は可能かもしれません」
ウクライナの世論調査「戦争が長期化しても領土の譲歩は受け入れられないが84%もいる」
小泉氏「NATOの7月会議で、ウクライナの領土に関する話し合い、クリミア等を諦めた新領土案やNATO駐留地の議論をしたとしても、その世論があるわけですよ」
小泉氏「NATOで一番可能性があるのがイスラエル型で、武器供与を約束しつつ停戦させる」
岡部氏「自由ロシア軍は穏健派で、反プーチン組織ですが、彼らの言い分では『ウクライナ軍に休暇を取って越境しただけだ』と言っている。この休暇を取ったというのは2014年に腕章を付けた兵士が休暇を取って攻めて来たことと同じ事をしただけという言い分」
小泉氏「岡部先生の『休暇を取った』というのは、ロシアが過去にやったことを俺たちのやったというジョークだと思う。その意図は、ロシアへの政治的な発言と、陽動作戦だと思う。越境攻撃で西側はビビるだろうが、それを超えてやるぞという気持ち」
岡部氏「彼らは楽観的です。2022/2/24の5日後に『EUに加盟する』といって署名した。戦時下に署名っておかしいでしょ?ただ署名によってEU加盟に道が開きつつあるのは事実ですし戦時下なのに長期でNATOやG7に参加という外遊したことも我々から見れば楽観的に見えませんか?」
小泉氏「ウクライナにはワンチャン的な意味の諺があります」
提言・ウクライナの反転攻勢、次の焦点は?
岡部氏「思則有備、中国の言葉ですが、あらゆることを想定する」
小泉氏「根気。戦える期間は半年あります」
メールに対し
岡部氏「戦争を起こさせないことが大事」
反町氏「それは外交努力?防衛力向上?」
岡「外交力が大事ですが、我々は近隣諸国の政局についてあまり詳しく知らないと思うのです。知っていたらプーチンがウクライナ侵攻を始める事に気づいたのでは?」
小泉氏「防空システムはウクもロシアもかなり強固です。弾が切れかかった時に西側の供与がありました。あとはF16戦闘機でレーダー能力が優れた機体が仮に供与された場合、ロシア軍の背後の部隊を狙える可能性があります。ただ、それが供与されるかどうかは情報不足です」
小泉氏「アメリカの政権が変わった時、ひょっとすると武器供与をしないということになるかもしれません。そうなると一つの転機になる可能性はあります」
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ゲスト
田﨑史郎(他のご出演記事・著書など[無い場合あり]amazon・楽天市場) 政治ジャーナリスト(冒頭)
佐藤正久(他のご出演記事・著書など[無い場合あり]amazon・楽天市場) 元外務副大臣 自由民主党参議院議員
岩田清文(他のご出演記事・著書など[無い場合あり]amazon・楽天市場) 元陸上幕僚長 元陸将
抜粋
(政治)
佐藤氏「(野党の)維新や国民(民主)は先鋭化した政策を訴えられますよね。それだけ我々よりも有利なんです」 →政権政党は実現可能な政策しか言えないというジレンマ
岩田氏「戦争が始まってすぐの頃は、どちらも『自分達が有利だ』というのが決まっていますので、ロシアの発表した数はカケル10少ない(÷10)と思った方が良いです」 佐藤氏「ロシアが時間をかけた防衛線を突破しようとしているのでウク軍に被害が大きいのは仕方がない」
佐藤氏「戦車は上からの攻撃に弱いし、戦車で戦闘ヘリを落とすなんて無理。だから対空システムが同行する必要がある。ヘリ1機で戦車16両(破壊)、という話があるくらいです」
防衛分析サイトOryxによるウクライナ軍の損失数
M1ブラッドレー歩兵戦闘車 17輌
レオパルト2戦車 5輌
M113装甲兵員輸送車 43輌(米供与 34)
岩田氏「これ位の損失なら問題はないです。レオパルド2といえども無敵ではないし、輸送車は代替車があると思う」
反町氏「ワグネルのような私設軍隊は?」
岩田氏「どこの国にもありますが、プリゴジンの場合は政治色が強い」
佐藤氏「やはりカリスマ性がないと人が集まらない」
提言・反転攻勢、今後の焦点は?
佐藤氏「7月上旬。ちょうど一カ月経つ。その戦果を分析する必要がある」
岩田氏「対空。対電子戦法。ロシアの戦闘ヘリ、ドローン、電波妨害でウクライナ軍は苦戦を強いられている。ウク軍は何かを編み出すと思う」
メール後
独ソ戦の二の舞にならないか?
岩田氏「その通り。F16がそろわない状況で反撃を開始したので。今後はロシア軍の反撃を考える必要がある」
アメリカは長期戦の方が有利では?
佐藤氏「共和党は供与抑制なのでバイデン氏はそれを抑えている。大統領選がカギ」
岩田氏「クリミア半島に何かしら攻撃、1発でも良いから、それができるとロシアにダメージになる」
ウク軍は最新鋭武器を使いこなせているいるのか?
佐藤氏「この戦争は1年で終わらないと思う。有利不利を繰り返す必要があるので、強い武器が必要」