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ゲスト
井上達夫(他のご出演記事・著書など[無い場合あり]amazon・楽天市場) 東京大学名誉教授 法哲学者
先﨑彰容(他のご出演記事・著書など[無い場合あり]amazon・楽天市場) 日本大学危機管理学部教授 思想史家
抜粋
先崎氏「今、日本はチャンスかもしれません。1980年代日本は半導体で急成長したがその結果、米国に叩かれた。それと同様に米は米中対立で中国を本気で潰そうとしている。もし日本が太平洋の島しょ部でのプレゼンスを上げたとしても、今の米に叩かれる可能性は低いと思う」
先崎氏「日本の港は各県の管轄していて、自衛隊が港を使って練習する、と言っても県知事がけむたがって許可しない。つまり、日本は練習をしないまま有事に突入する国です。また自衛隊員が有事で亡くなった場合、故人を称えない国です」
井上氏「自衛隊隊員が訓練で亡くなった場合、防衛省は公表しない。なぜなら、公表すると一部のメディアが『練習で亡くなった、可哀想、だから自衛隊は』と叩くことしかしない。昔の日本は戦死した人を称えていたが今はしないというかできない。それは隊員に対し失礼と思う」
井上氏「復興事業で自衛隊員がお腹が空いたので、腹持ちが良い、もち米の赤飯の缶詰を食べていたら、地元の人がそれを見て『なんだ!赤飯とは?(被災地で)』と言った人がいたらしい。また『働くお父さん』という本に自衛隊員を加えようとしたら反対する人がいる」
井上氏「日本の自衛隊は危ない軍隊なんです。出動までに色々手順があったり、最後に総理が判断するのかもしれないが、『一度、交戦が始まってしまうと、撤退する条件が明記されていない』。『ここで撤退します』と言って怒っている相手が承諾しますか?だから危ない軍隊」
先崎氏「日本の軍事同盟は東アジアで『1対1、2か国で』複数結んでいると思う。一方NATOってキリスト教という宗教でつながっている組織にも見える。一方、ASEANではそういうことはできないので、ASEANの拡大型を構築する必要があるのでは?」
提言
井上氏「九条信仰こそが日本を危険な軍事国家にしている。『憲法九条を守らないと戦前の日本に戻る』という信仰こそが、自衛隊を危険な軍隊にしている。彼らは逆の事を言っている」
先崎氏「中庸。日本でもアメリカでも」
メール「マスコミの報道の仕方が悪い」に対し
井上達夫氏「朝まで生テレビに出た時に田原総一朗さんに『この番組で沖縄のことをしたら?』と言ったら『それをすると視聴率が取れない』と言った。つまり関心のない日本人が多い。つまりマスコミが悪いのではない」
先崎氏「同感です。私の先生ですし」
メール「日本は勝ち組についた方が」に対し
井上達夫氏「うーん?勝ち組というと中露のことですかね?大戦後、ロシアは千島列島だけでなく北海道まで獲ろうとしたのをアメリカに止めてもらおうとしたぐらい。つまり、ロシアがもしウクライナで勝ったら、次は北海道を獲りに来ようとしている、ということぐらいは頭を働かせるべき」
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ゲスト
杉山晋輔(他のご出演記事・著書など[無い場合あり]amazon・楽天市場) 前駐米大使
朱建榮(他のご出演記事・著書など[無い場合あり]amazon・楽天市場) 東洋学園大学客員教授
矢板明夫(他のご出演記事・著書など[無い場合あり]amazon・楽天市場) 産経新聞台北支局長(リモート出演)
抜粋
杉山晋輔氏「私は日米半導体協定の関係者で当時かなり苦労したので、中国が『(その協定を結ぶ時)アメリカが日本にやったように、今度は中国に同じ事をしようとしている』と言ったが、私に言わせれば『あなたが言うな』と言いたい。そもそも日米の時の中身と、米中の中身とでは内容が全く違う話で、中国には『当時の日米協定のやりとりを調べてから言って』と言いたいです」
4/3 産経新聞 中国紙、日本に「虎の手先になるな」と注文 「米国追随」を非難
2/1 「自由貿易は死んだ!」と嘆いた台湾TSMC創始者・張忠謀と習近平の仲が示唆する世界の趨勢
張忠謀の「自由貿易は死んだ」という言葉は、「本来ならば企業は市場のニーズに合わせ、利益を上げられる方法で経営していくものなのに、アメリカは中国大陸との交易を禁止し、政府の力で無理やりアメリカに生産工場を移転させて、アメリカ政府のために企業が行動を制限され方向づけられていく」という苦悩を言いたかったのだろう。
その張忠謀は、実は習近平と良好な関係を築いている。
杉山氏「1972年ニクソン氏の時『中国は1つであると認識している』と言っていた。一方、日本は『中国の立場を理解し尊重する』と言った。米上院は『日本は中国寄りだ』と非難したもののどちらも『中国は1つと認めた』のではなく『中国がそう言っていることを認識した』だけ。日本にしろアメリカにしろ、その発言が原点で、それ以上のことは言っていない」
反町氏「日本とアメリカのニュアンスの違いは?」
杉「英語の原文でいえば、アメリカの方が understandとrespectの意味を含む『理解している』と言っていて、日本の方が『硬ぐるしい意味で理解している』」
反町氏「アメリカは台湾を支援していますか?」
朱氏「アメリカは台湾に軍人をたくさん送っているじゃないですか?」
矢板氏「蔡英文氏が中米を訪問した時に、ホンジュラスが台湾と断交したでしょ。それが中国のやり方ですし、蔡氏がマッカッシー議員と面会する時には、フランスのマクロン大統領を中国に呼んだでしょう?中国はそうやって、台湾の行動に合わせて来た」
杉山氏「太平洋の島しょ部には、その時期その時期て『中国寄り』になったり『台湾寄り』になっていて、それにはその時期ごとに理由があって変わるのは理解できる。
パラオという人口2万人の国(島)があって、昔は日本から旅行客が1万人だったが、今は旅行客10万人のうち6万人が中国本土からの客です。パラオは台湾と関係を保っているが台湾との関係を維持しているのをパラオの役人は苦慮している。また、パラオは第一列島線と第二列島線が関係しているから、日本は昔から大事にしていたのだが、アメリカもやっとそれに気づいてきた」
杉山氏「太平洋の島しょ部の国々を廻ろうとしたら31日間かかる。直行便がないから」
反町氏「以前、河野元大臣が『専用機を』と言っていたが」
杉「専用機とまでは言わないが、日本は米国のように軍用機を使えないので、外交目的で使える飛行機があっても良いと思う」
メール「日本人を拘束したのは日中で阻害になりませんか?」
朱氏「日中は意思疎通していると思う」
私見→「阻害になるならない」を明言せず、結果、朱氏は質問に答えていなかった。「中国で仕事をしている日本人が怖がっているのだが」という主旨の質問のはず
感想
朱氏、やはりというか、「台湾は今のままではダメだ」と言わんばかりに、蔡英文氏より馬英九氏を称賛するような発言が多い。