テーマ
ウクライナ危機と中国 習政権のホンネと誤算 仲介役で貢献の現実味
ゲスト
村井友秀(他のご出演記事・著書など[無い場合あり]楽天市場で探す) 東京国際大学特命教授
朱建榮 東洋学園大学教授
興梠一郎 神田外語大学教授
抜粋
興梠氏「ロシアのやり方はロシア人をクリミアに送って武器を持たせ、独立を宣言させたわけですよ。ウクライナの東部にも同じことをした。中国はこのことを恐れている。なぜならロシアのやり方のように台湾が独立宣言をしてしまうと、中国の場合は困るから」
村井氏「プーチン(楽天市場で探す ・ amazonで探す)は、ウクライナはもともとロシアの物だと思っている。だから侵略という意識より、失ったものを取り返そうとしているので、経済が多少混乱したぐらいでは、この戦争を(途中で)諦めるとは考えられない」
村「(フリップの)中国の1950年ごろまでの教科書の中国国境は、今のカザフスタン、アフガニスタン、シンガポール、マレーシアまで含まれている」
反町氏「あのう、この地図にはかつての琉球王国まで含んでいるのですが」
村「ようするに、その範囲が中国の領土にしたいという願望のようなもの」
※フリップの絵に近い地図 → 2021/11/4 新潮社
中国「領土的野望」の起源が「この地図」に? 小中学校の歴史教材として使われている「国恥地図」とは――『中国「国恥地図」の謎を解く』試し読み
村井氏「中国は経済力で世界2位。ロシアは軍事力で世界2位。かつてロシアは中国を見下ろしていたのに、経済力が落ちたために見上げるようになった。逆に中国は経済力を上げているので、比例して軍事力も上げるでしょう」
反町氏「サハリン1,2に中国は?米や英の企業が撤退したので、中国が株主になることは?」
興梠氏「パイプラインの話は30年契約。2/4中露会談でガス買増しの話も出た。中国共産党の誕生はソ連のおかげ。そういう歴史からロシア側にはプライドがある。ただしロシアの核は中国にとって北の脅威である。経済のつながりはあっても、中国人はロシアをあまり良く思っていない」
村井氏「今日のロシアは明日の中国」
興梠氏「中国やロシアは西側諸国の民主主義思想を恐れている。中国にとっては北朝鮮とロシアが、ロシアにとってはウクライナが緩衝地帯。つまり西のイデオロギーの直接の流入を恐れている。だから両国は緩衝地帯を必要としている。そして中国は香港に国家安全維持法を急いで作った」
村井氏「中国にとっては自分達が正義であって、アメリカの正義は正義ではない、中国はそう思っている。だからアメリカには付かない」
反町氏「アメリカや中国の正義からウクライナの現状は?」
村井氏「そんなややこしいことは中国は見ない」
朱氏「日中平和友好条約、不再戦の誓い」 →日本が中国に戦争をしかけるつもりは毛頭ありませんが、中国はどうなのでしょう? なぜ尖閣諸島にほぼ毎日、軍艦もどきが来るのでしょう?日本人は甘い言葉に騙されてはいけない
メール「中国が台湾に侵攻した時に経済制裁を受けることを想定している?」
興梠氏「中国は成功体験がある。香港の国家安全維持法で経済制裁を受けるかと思っていたが実際は受けなかった。SWIFTとは別ルートも構築済み。だから経済制裁を受けても痛くないと思っている」
村井氏「中国には孫子の兵法がある。自分が弱い時は何もしない。中国が相手より5倍強ければ攻める。10倍強ければ、何もしなくても相手が屈服する。日本は中国と5倍差にならないようにすることが大事」