2023/5/22
ゲスト
佐藤正久(他のご出演記事・著書など[無い場合あり]amazon・楽天市場) 元外務副大臣 自由民主党参議院議員
田﨑史郎(他のご出演記事・著書など[無い場合あり]amazon・楽天市場) 政治ジャーナリスト
東野篤子(他のご出演記事・著書など[無い場合あり]amazon・楽天市場) 筑波大学教授(リモート出演)
抜粋
反町氏「地元広島の記者がゼレンスキー大統領に『武器などの支援要請よりも和平を』と言ったことについて」
東野氏「やはり被爆された方が多いので、完全な平和を求めている方が多いから、その記者さんもそういった質問をされたのではないかと思います。ですが、ゼレンスキー大統領にする質問ではないと思います。」
佐藤氏「東野さんに同感で、2014年のクリミア併合より183回ロシアと交渉し、その間多数の死者も出ているウクライナ。そのウクライナに侵攻しているのはロシアです。和平をするとロシアに占領されてしまった領土はどうなるのか?そういった問題が残るのに、ウクライナに対しその質問はいかがと思う」
Yahoo ウクライナの戦後復興に「日本の技術が必要」ゼレンスキー大統領が広島で会見(全文2完)
https://news.yahoo.co.jp/articles/fcb6db1b9ff6c0cf24271b3b8c179e039f94c947
一部のみ抜粋
原爆資料館の中で印象に残った資料は
記者:
広島のテレビ局、RCCです。その原爆資料館の中で印象に残った資料などありましたら教えていただきたいと思います。もう1点は、広島の被爆者の中には、ゼレンスキー大統領にとって今回のサミットに参加することで国を守るための兵器などの支援を要請することも大事なのかもしれないが、せっかく、被爆地広島を訪れているんだから、もっと戦争を終わらせるための和平に向けて話し合いをしたほうがいいのではないかと、広島で行われるサミットで違和感があるという声があります。その声にどう応えますか。
ゼレンスキー:
ご質問ありがとうございます。広島で受けてしまった惨事がウクライナで起きている破壊とは、もちろん歴史的に比較するのは不適切でしょうが、正直に言いますと、先ほどの質問がバフムトの質問だったんですけれども、本当に正直に言います、破壊された広島の写真がそっくりバフムトおよびバフムトのような写真に似ています。何も生きているものがない、全ての建物が破壊されている、どこに道路があって、どこに建物があったかはまったく想像がつかない完全な破壊、人も誰もいない。
反町氏「ブラジルのルラ大統領がゼレンスキー大統領と会談できなかったのは、ボイコット?」
佐藤氏「二人それぞれが市内と島とで往復40分と離れていた地理的問題でセッティングできなかったと思う。それに2024年G20はブラジルが議長国。ルラ氏は敵を増やしたくないはず」
東野氏「当然ながら核の無い世界が実現すれば幸いなのは当然ですが核の議論を自由にできたのは2022年2月24日以前だと思います。それ以降、2023年はロシアが核の脅威をちらつかせているのが現実です」
→私は「今、核の無い世界といった議論ができる現状ではない」と解釈
21日・G7広島サミット終了後のやりとり
中国・孫外務次官「日本はG7議長国として関係国とグルになって中国を中傷して攻撃し中国の内政に粗暴に干渉した」
日本・垂(たるみ)・駐中国大使「中国が行動を改めない限りこれまで同様にG7として共通の懸念事項に言及するのは当然で将来も変わらないだろう」
佐藤氏「垂大使と中国との関係が強いので、ここまで言えたのだと思うし、垂大使らしくはっきりと言われたと思う。また中国は経済回復のために半導体装置が欲しいので、中国は日本に対しかなり低姿勢で、日本としても軍事転用がされないものなら輸出しても良いと思っているので、ここまで言えたのだと思う。中国はフランスのマクロン大統領にも頼っている状況なので、現状、苦労していると思われる」
反町氏「自民党のG7サミットの評価は?」
田崎氏「5人の議員に尋ねたらサミットは成功だったと言われていました。支持率は上がるだろうと。そしてお一人がこれなら解散かもと言われたが、どうも解散する雰囲気は総理周辺にはない。少子化対策、入管法等解決すべき課題が多い。ただ野党の声が大きくなっている」
反「支持率持ちます?」
田「支持率も秋まで持つのでは?という声もお一人あった。また岸田総理は、過去の経験から目の前のことをこつこつすれば支持率は維持できるのでは?と思っている節がある」
田崎氏「自民党が解散総選挙に消極的なのが自民党幹部が思っているのが、公明党の統一地方選の疲れが取れるのは今秋だろうと思っているからです」「統一候補の話があったりして話がこじれると連立解消となったり」
反町氏「自公に維新が加わるのは?関西の候補者擁立が関係は?」
田「3党の連携は今はないと思う。連携があるとしたら、総選挙後だと思います」
提言:岸田外交の次の課題
東野氏「継続。議長国として年末まで緊張感を持って」
佐藤氏「実行と拡大。文書をいかに実行するか?G20やグローバルサウスへ拡大」
田崎氏「岸田総理は謙虚な人ですが、サミット成功で自信を持ち過ぎないか心配」
メール「ゼレンスキー大統領の席順は?」
佐藤氏「普通はアファベット順といったことがあるのですが、今回のいきさつはわかりません。ただ、韓国とインドの間にゼレ氏が座ったのは正解だったと思います」
反町氏「ですよね」
佐「ちなみにゼレ氏の真向いがブラジルでした」
その他
・平和主義者の中で極端な方には「戦闘行為さえ終われば、それで良い」という思考の方が一部いる。 もし「とにかく和平交渉を」といえば「ロシアに占領された土地のこと、殺された仲間のことは考えず、とにかく停戦しろ」と言っているように、とくにウクライナの人々には解釈されるだろう。ウクに失礼
5/23
ゲスト
小泉悠(他のご出演記事・著書など[無い場合あり]amazon・楽天市場) 東京大学先端科学技術研究センター専任講師
増田幸美(他のご出演記事・著書など[無い場合あり]amazon・楽天市場) (そうだ)日本プルーフポイント株式会社チーフエバンジェリスト
抜粋
ロシアのベルゴロドでの戦闘について
小泉氏「反プーチン(楽天市場で探す ・ amazonで探す)反ルカシェンコの自由ロシア軍と、ネオナチロシアという過激なロシア義勇兵団という思想が違う集団が動いた可能性。かたやプーチンやルカシェンコの長期政権に不満を持っている集団、かたやロシアが嫌いという過激な行動をする集団で、元々思想が違うのですが、長期間ウクライナが攻撃を受けているから一致して動いたのではないか?と思われます。その軍団がアメリカ製の兵器を持っているのでウクは無関与と表明しているが全くの無関係ではないと思う。」
反町氏「そうなると、NATOが懸念していた『ロシア領土には攻撃するなよ』が破られた可能性は?ロシアの偽旗の可能性は?」
小泉氏「それはあると思います。ただ長距離の武器は持っていない。それにロシアはすぐさま対応しているので、ロシアの動向から偽旗作戦でもない。ただロシアが言っているほど、激しく反撃しているような雰囲気にも見えない」
F16について
小泉氏「訓練に1年かかると見込んでいたが、元々パイロットの人を訓練しているからか4か月で乗れそうらしいです。ただ、これからの反撃攻勢には間に合わないでしょう」
小泉氏「ベルゴロド州の越境攻撃の方が気になる。なぜなら明らかにロシア領内での戦闘なので、プーチンがギアを一段上げる口実になりそうだから」
増田氏「2021年後半からメール型攻撃が、全世界的に増えていました。メールはあらゆる攻撃の入り口で、それにひっかかった人をさらに攻撃をする。その経過でロシア系ランサムウェア攻撃集団のConti(コンティ)の活動が活発になっていた」
増田氏「そのContiにウクライナ人が1人いてチャット上でもめて、彼によって内部の情報が大量にリークされました。またContiの中には他のランサムウェア集団のメンバーだったりしている」
(Trickbotという集団の女性が逮捕されたので、Contiのメンバーは助けようとした形跡もある)
増田氏「ランサムウェアというのは、メールによってPCを1台感染させておく役割、そのPCを入口としてデータのあるところまでログインする役割、侵入後データを暗号化する役割がいます。相手のデータを暗号化する、これがランサムウェア攻撃です」
反町氏「分業制ですね」
エモテット:メールで来る攻撃でWord/Excelのマクロが起動すると、エモテットの本体をそのパソコンに落としてPCが感染します。その後、すぐさまトリックボット集団によるソフトがそのPCにやって来る。
今度はそのPCから同じネットワーク内の他のPCに横展開され、約2週間後ランサムウェアが来る。ほぼ日本の全ての企業が攻撃を受けています。
エモテット、トリックボット、ランサムウェアそれぞれの集団はロシア系ハッカーなので、暗黙鉄則のルールがあり、旧ソビエトは攻撃しない、FSBからの依頼に協力する、(逮捕を防ぐために)旅行先の安全を依頼している。このことはロシア国内には全くウイルス攻撃が起きていないことから明白です」
*ContiにはFSBのメンバーがいる
反町氏「日本がターゲット?」
増田氏「そうではなくロシア以外全世界です。相手の文字コードから、感染させたPCがどの国のPCかはすぐにわかる。
2022年1月 ウクライナ国内で起きたこと
政府系サイトが攻撃を受けてダウンした。また銀行サイトで障害を受けた
2022/2/24 軍事通信系に重度の障がいが起きた。
増田氏「これが起きる前に、ロシア系集団はウクライナ系集団に『お前の国は終わる』と警告、威嚇した上で、1月2月と実際に起きました」
増田氏「ハッカー集団ってお給料をもらっている人がいて、月曜日に感染させて、火水木金まで働いて、週末は休むことが多い」
反町氏「そういう所は律儀ですね」
増田氏「クリミア橋攻撃の頃、そのハッカーのターゲットは英語圏フランス語圏ドイツ語圏日本語圏で、RAT(リモート操作ウイルス)は起動すると日本語でした」
反町氏「偽旗?」
増「そう。特徴はメールをクリックすると正規サイトが表示されるが、サイトが既に感染されていた」
ゼレンスキー大統領がフランスを訪問した時、オルガルヒの資産を凍結した時に攻撃が活発になっている傾向がある。
ただし、彼らは民間の集団なので「単なる愛国心」で動いているものの、そういった何かのイベントがあるという時は、土日も関係なく行動しています。
フランスやイタリアの暗号資産が狙われたりしましたし、今回のG7サミットで広島のサイトがダウンしたのも関係がありそうです。
サイバー攻撃(楽天市場で探す ・ amazonで探す)は物理攻撃ではないので、事前から(相手PCを感染させる)準備する傾向があります。
ロシアのサイバー集団:KGB配下にある集団で、公務員です。
ロシアのサイバーセキュリティ(楽天市場で探す ・ amazonで探す)の会社「NTC Vulkan」
Scan-V:このソフトはネット上の「脆弱なサイト」を発見して、それをデータとして保管。なにかあった時に利用するソフトで、このソフトが2015,2016年ウクライナの電力会社が停電した件に関与している可能性
ハッカー集団:中国は2万人、アメリカ、北朝鮮、ロシアは7000人。ただし、実戦経験が豊富なのはロシア。
増田氏「敵基地攻撃能力にサイバー空間も含まれるのか?つまり、相手国が日本に攻撃しようとしていると察知した時、相手国のサイバー空間に侵入し攻撃を無効化させる、この部分が敵基地攻撃能力に含まれるのかが重要、法規制も」
反町氏「マルウェアを相手国に忍ばせることは法律的に問題はないと思う。Sleepさせていれば(動いて攻撃しないのだから)。そういう議論が日本でも必要だと思う」
テーマ
提言:サイバー戦争時代の国防の在り方
小泉氏「すべてが武器になる」
増田氏「わが事として敵を知る」
メール「サイバー上で、核兵器みたいなものは?」
増田氏「ゼロデイ攻撃。穴を見つけてゼロ日で発動するので、修正パッチが無い状態なので大変危険」
小泉氏「アメリカではAI(楽天市場で探す ・ amazonで探す)で穴を見つけたり、見つけた穴を塞ぐパッチをAIで作成させたりしている」
反町氏「日本でそれをするとしたら、今の日本の防衛予算で足りる?」
5/24
ゲスト
櫻井よしこ(他のご出演記事・著書など[無い場合あり]amazon・楽天市場) 国家基本問題研究所理事長 ジャーナリスト
渡部悦和(他のご出演記事・著書など[無い場合あり]amazon・楽天市場) 元陸自東部方面総監 元陸将
抜粋
櫻井氏「外交は感情ではなく実利で動く。ユン大統領はムン前大統領と比べ全く違う。韓国も北朝鮮の核に恐怖を感じているのでしょう。ただし、韓国は政権が変わると政策も変わる可能性があることを念頭に付き合うべき」
私見→ただ竹島とレーダー問題はユン大統領でも懸念事項。
櫻井氏「核の脅威に対して核を持つ。そんなことをしたって(キリがないから)ダメです。NPTから脱退した時を想定する必要がある。脱退すると、日本は孤立する可能性があり、孤立した場合、日本は世界中から相手にされなくなるかもしれない」
櫻井氏「広島ビジョンを何回も見ましたが、あれはとんでもない代物です。ロシア(の侵略戦争)には何回も触れているのに、核の大増産をしている中国には一切触れていない」
櫻井氏「2022年2月2023年3月プーチン氏と習氏は会談し、戦後から続くアメリカ主導の世界から、多国間主義の世界へ、さらに露と中国とくに中国がリードしようと言っているわけです。その中国に対し『リードしたいと言っている国が核の増産ですか?』と注文するのは問題ない」
反町氏「ゼレンスキー大統領の広島訪問について」
櫻井氏「ウク侵攻の加害者と被害者が明確になったしG7は支援継続のコミットがされた。一方でグローバルサウスの動き、例えばインドのモディ氏は支援すると言った、ブラジルのラウ氏は『ゼレ氏はG7ではなく国連で言うべき』、インドネシアのジョコ氏は会談のみだった。また、アメリカが国内の予算問題で、クアッドのオーストラリアとパプアニューギニアの訪問を止めたことがマイナス。止めた途端、豪のマスコミは『やはりアメリカはクァッドの扱いはその程度か』という論評だったし、パプアニューギニアなど南太平洋の島国には中国マネーが多い。だからこそ訪問すべきだったし、訪問できないのなら、それなりのメッセージをバイデン氏は言うべきだった。パプアニューギニアは台湾と国交があるのに、最近、中国に寄っているのに」
関連記事
TBS パプアニューギニアが駐台湾「商務代表処」閉鎖 中国は歓迎
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/272844
櫻井氏「EUのフォンデアライエン氏は2023年、マクロンさんとほぼ同時期に中国を訪問。フォン氏は習氏と会談した時、商売の話だけでなくウイグルの人権問題も話した、ここがマクロン氏と違う。一方で日本の経団連に言いたい。中国にいる日本の企業は2年後5年後までの利益を見据えた商売を続けていたら、その間にそこで働く日本人、その企業が中国に侵略されるような状況に『今』直面していることに気づくべきで、このまま日本の企業が侵略され続けると日本国家も中国に侵略されることになります」
「フォンデアライエン氏も中国国内にEU系企業がたくさんあるのをわかっているので徐々に企業に撤退させて、デカップリング(決別)ではなくデリスキング(リスクを減らす)を表明したのだと思います。このことからヨーロッパは中国と商売をしたいというがわかる。」
櫻井氏「中国は人民元をドルのような基軸通貨にしたがっている点に注視。一方、中国が購入している原油価格をサウジアラビア産とロシア産を計算したところ1バレル当たり9.5$、ロシア産の方が安かった」
反町氏「どういうこと?」
櫻「ロシアは買い叩かれている」
櫻井氏「私は、ウクライナ侵攻(楽天市場で探す)が長引いた場合、一番得をするのは中国だと思います。なぜなら中国は世界の覇者になりたいからで、長期化するとウクライナ支援をしているアメリカが弱体化するからです。それを中国は狙っているのではないか」
櫻井氏「プーチンが2024年2月24日、ウクライナ侵攻をはじめて数日後、あの平和主義だったドイツのショルツ首相が国防費をGDPの2%まで引き上げた、つまり目覚めたわけです。一方の日本は目覚めるどころか、議論がまとめっていない。これだけ日本は遅いのです。あれだけドイツは動きが早かったのに」
ロイター 2022/2/28 ドイツ、国防費をGDP比2%超に大幅引き上げへ
https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-germany-scholz-idJPKBN2KX00G
櫻井氏「国会で、核兵器廃絶について長期の目標と現実の問題の両輪は可能だと言ったのです。それと同様にウクライナへの兵器の武器輸出は運用の見直しと法律の改正この両輪も可能だと思う」
提言
渡部氏「パッションとアクション」
櫻井氏「現実と戦略」
メール「中国は隣国なので、日本は太陽政策をすべきでは?」
櫻井氏「その方は心優しい日本人で、以前からずっとそれを日本はやってきたが報われませんでした。その間は中国は優しかったり厳しかったりして、結局、中国は力だけを信じている国だと日本人は学んだはずです」
メール「核の傘の下の日本」
櫻井氏「日本人自身が核についてちゃんと勉強しないといけない」
5/25
テーマ
ゲスト
松田邦紀(他のご出演記事・著書など[無い場合あり]amazon・楽天市場) 駐ウクライナ特命全権大使 (冒頭)
岩田清文(他のご出演記事・著書など[無い場合あり]amazon・楽天市場) 元陸上幕僚長 元陸将
武藤茂樹(他のご出演記事・著書など[無い場合あり]amazon・楽天市場) 元航空総隊司令官 元空将
抜粋
武藤氏「おそらくですが、ウクライナには戦闘機がほとんど残っていないのではないでしょうか?だからF16を早く欲しいと言っていたように見える」
岩田氏「ジャベリンは重ねた結果、自衛隊の地対空ミサイルとは比べものにならない位、高性能。自衛隊のが改良できなかったのは予算がつかない為。車で例えれば、オンボロ車と最新の高性能車」
武藤氏「F16(第4世代)はウクライナが持つMIG29に比べ高性能。」
武藤氏「過去に自衛隊がロシア軍機に乗る機会があったのですが、ロシア語を理解するという表記言語の違いだけでなく、NATO仕様の作戦行動とロシアのそれとでは全く異なる。例えば地上部隊との連携方法も異なる」
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武藤氏「JTAC部隊が山頂などの前線に出て、敵の戦車を見つけてレーザー光線を当てます。その反射を利用してF16のミサイルを誘導して当てます」
反町氏「それがないと?」
武「戦車は動き回るので当たりません。」
反「JTACではない誘導がないミサイルは?」
武「GPSのミサイルはある。そもそも戦闘機が目視で発射した場合、1秒遅れるだけで5kmの誤差が出てしまう」
反「ということは、戦闘機で戦車を狙う場合はJTACが要ですよね?自衛隊には?また、自衛隊の戦闘機でもできますか?」
武「自衛隊にもJTAC部隊はいます。F15では対応できません。F2は対空対地対応なので対応できると思いますが、F2よりもF35でJTACを活用すると思います。まず、JTACのような部隊がいないと、このようにウクライナ軍とロシア軍が接近したエリアで戦闘機による対地攻撃は困難で、自軍を間違って攻撃しないためにもJTACが必要で、これをCAS(近接航空支援)と言います」
・敵レーダーを破壊する「SEAD、敵防空網制圧」
・前線部隊を援護する「CAS、近接航空支援」
・後方の拠点を攻撃する「航空阻止」
岩田氏「ザポリージャのメリトポリ奪還を目指し侵攻。すると東のドネツク西のヘルソンからロシア軍が来ると思う。ドネツクからの露軍を阻止して分断するのが重要」
反町氏「失敗したら?」
岩「失敗できません。ウクに(兵、武器が)無いから」
岩田氏「クリミア半島はロシアからの援軍も困難なので戦力的に薄いので落ちやすいと思う。一方、ドネツク州の方がロシアからの援軍が来やすいので、落ちにくい」
武藤氏「ミグ29にくらべF16ならミサイル的にも能力的に対抗できると思う。スホイ27,30(Su-27,30)はF16に比べサイズが大きいので高性能なレーダーや兵器も搭載可能だが、F16なら対抗できると思う」
反町氏「もし岩田さんがロシア軍の司令官なら、秋のF16投入の前にしたいことは?」
岩田氏「ウクライナの防空網や地対空ミサイルをできるだけ多くそぎ落としたいと思う。今のうちに」
提言・ウクライナ戦況の今後の注目点
岩田氏「戦闘力の集中」
武藤氏「航空優勢(制空権)殺得を拒否し続けることができるか?」
メール「ウクライナが核保有国だったら」
武藤氏「核抑止力が働いたと思う」
岩田氏「ウクは1800発持っていたんです。ブタペスト覚書で核を捨てさせたうえで米露が守ると言っていたのに、そのロシアが脅している。武藤さんのご意見のように抑止になっていたかもしれませんね」
メール「ウクライナの反転攻勢。秋に一気にやった方が」
岩田氏「冬になると(地表が)ダメです。時間がない。そうなると領土奪還が目的なら、たとえ戦力が80%という状態であっても、早く始めた方が良い」
反町氏「もし岩田さんが司令官なら2回に分けてしますか?」
岩「はい。春と秋の反転攻勢を(する)」
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テーマ
ゲスト
黒井文太郎(他のご出演記事・著書など[無い場合あり]amazon・楽天市場) 軍事ジャーナリスト
高部正樹(他のご出演記事・著書など[無い場合あり]amazon・楽天市場) 軍事評論家 元傭兵
横田徹(他のご出演記事・著書など[無い場合あり]amazon・楽天市場) 戦場・報道カメラマン
抜粋
報道カメラマン・横田氏「360度カメラを使うことあったのですが、『この武器は取らないで』と言われたことはある。また、このハンディタイプのカメラは小さいながら4Kでブレないので、さっと胸ポケットから出して撮ることもあります」
反町氏「なぜジョージア部隊はウクライナ支援を?」
横田氏「その部隊の司令官が元々ウクライナ国籍だったらしく、そういった経緯でウクライナを支援する側に立っている部隊でした。」
横田氏「(同行した)ジョージア部隊はドローンを飛ばして、ロシア軍の配置・要員を把握、それを基に作戦プランを立てる」
反町氏「ということはウクライナ軍にそれをフィードバックすることは?」
横「あると思います」
横田氏「ジョージア部隊がすごいのは、その日に撮影した映像をその場で編集しSNSにアップして、プロモーションビデオをすぐに作成できる、これには驚いた」
黒井氏「なぜ同行できた?」
横田氏「全てが偶然で、フリーランスで作った会社の情報がない、要求通りのお金を払う、カメラマンなのにレンズを忘れたと怪しいと思われロシアのスパイかと疑われ後で知ったのですが『何かあったら殺せ』と司令官は銃を持っていた」
反町氏「それだけ取材のお金を日々現金払いしていたら、命を狙われない?」
横田氏「僕はありませんがジャーナリストを売る話は聞いたことがある」
反「あるの?」
黒井氏「中東などではあって、シリアからある。身代金目的の誘拐とか、売られる話はある。戦場なので」
横田氏「ウクライナはどこに行っても食事がおいしかった。ジョージア部隊で同行していたが、野菜・果物が手に入るし、地元の女性がボルシチを出してくれて3杯もおかわした。食事がおいしいから(兵士の)士気が高いのかもしれません」
反町氏「なぜジョージアのこの部隊の人達が、ウクライナのために働く?」
横田氏「傭兵の高部さんならおわかりだと思うのですが、戦場に行くと活躍できるタイプの人がいるんです。一般社会だとなじめないが戦場に行くと活躍できて頼りにされる。その結果、嬉しいと感じる人が世の中にはいて、そういう人達だと思う」
黒井氏「ドローンがたくさん活躍しているがそれだけに多くのドローンが撃ち落とされている。動きが遅いので。ただウクライナ軍はドローンの活用がうまくて、ロシア軍を撮った映像を使っている」
横田氏「ドローン自体はイスラエル軍が以前から使っていて、ただウクライナ軍がすごいのが、操縦者の位置を特定できないようにドローンのプログラム改造をしている」
反町氏「どういうこと?」
横「普通、ドローンは操縦者の位置を特定できるのですが、ウクライナのプログラマーにはすごい人がいるんだと思うのですが、操縦者の位置情報をすぐに消すように改造しているらしく、だからロシア軍はウク軍のドローン操縦者の位置を特定できないらしいです」
『映像のみ』
地雷を踏んで大破したロシア軍の戦車。それなのに、後方の戦車がさらに同じ方向に進んで大破。この映像が2種類あって、どちらも2台の戦車が大破していた。
反町氏「これはどういうこと?地雷があるかもしれないなら、普通止めません?」
黒井氏「おそらくロシア軍はそういう兵士の扱いなのでしょう」
黒井氏「ベルゴロド州の反プーチンのロシア義勇軍団(ネオナチ)は最初からウクライナ軍とは繋がっていないと公言し、クレムリンのドローン含めあちこちで動いていた模様で、あくまでも西側に目をつけられたくないい。国境の件はロ軍への陽動で規模が大きかっただけ」
横田氏「この写真は2022年9月、激戦地のドンバスで、なぜかここだけウクライナの花”ひまわり”がたくさん咲いていた。そこにクラスター爆弾のケースが地面に突き刺さっていたので、地面に落ちている爆弾の可能性を気にしながら300m歩いて、青空とともに撮影した」
反町氏「クラスターって使って良いの?」
黒井氏「市街地ではダメですが、クラスター協定に加盟している国によりますね」
高部氏「戦地で仲間が死んだ夜は、彼を弔うつもりで彼の話をして彼のために飲みますが、次の日になったら彼のことは一切忘れます。そうしないと自分がマイナスに向かってしまってPTSDになってしまう。人の死は(傭兵にの)我々には日常ですから」
横田氏・高部氏「高部氏と戦場でお会いした時、すごい傭兵がいて彼が飲み屋をやっているというので一緒に行ったことがある。彼の名はガストンベストン。その彼は2022年の春、ウクライナで亡くなったと聞いて、その時はネット上でも話題になった。彼とはミャンマーからの傭兵仲間でした。」
横田氏「私が写真を撮るのはあくまでもビジネスです。撮影したものを買ってくれるメディアがいて、それなりPayできる見込みがあるなら戦地に行きます。ですが、人の興味は1年を超えると薄れます。ですから、もしウクライナに行けば今度は4回目になりますが、今の世の中の興味から想像すると、Payできないかもしれないので、今は行きません。自分の貯金からお金を下して相手に払って撮影させてもらっているビジネスなので」
提言・ウクライナの現実を我々をどう捉えるべきか
黒井氏「つながっている。他国の話で終わらない」
高部氏「いつでもどこでもあり得る。ドローンで戦争の敷居が下がった」
横田氏「報道を続ける。1年過ぎると人の興味は薄れる、だから1年以上経ったウクライナ戦争は以前と比べ興味が薄れたと思います。ですからプライムニュース のような番組はありがたいです」
メール「ロシアによる戦争犯罪の証拠になりそうな写真は?」
カメラマン横田氏「ウクで400人が埋葬された墓地を訪れ、その4カ月前に殺されたらしくみんな服を着ていたのですが、後ろ手にタオルで縛られていた。その光景が脳裏に残っている」
反町氏「銃殺?」
横「その可能性はあります」
メール「報道に偏りは?」
高井氏「昨年BBCが軍に同行しドンバスで準備をしていたのですが、それが実は陽動で、全く無関係だったことがあります」
反町氏「BBCの謝罪放送は?」
高「それは確認できていない」