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ゲスト
佐藤正久(他のご出演記事・著書など[無い場合あり]amazon・楽天市場) 自民党参院議員 元外務副大臣
川上泰徳(他のご出演記事・著書など[無い場合あり]amazon・楽天市場) 中東ジャーナリスト 元朝日新聞記者
鈴木一人(他のご出演記事・著書など[無い場合あり]amazon・楽天市場) 東京大学公共政策大学院教授
抜粋
鈴木氏「おそらく病院の下にハマスの施設があるのでしょう。そもそもハマスはイスラエルに勝つことよりも『病院でさえ攻撃するイスラエル』というプロパガンダで世界に向けイスラエルの印象を悪くするのが目的だと思う。その為に人質を捕ったので冷徹な組織だとは思います」
佐藤氏「2014年にもイスラエルはガザに侵攻し、その際、学校や教会の下にハマスの地下トンネルがあることを彼らは把握しているはずです」
4時間休戦の交渉
鈴木氏「イスラエルやアメリカがハマスと直接交渉することはないと思う。交渉相手とみなしていないので。おそらくカタール、ハマスの政治部門と交渉している可能性はある。ただ政治部門とガザの戦闘部門がどこまで連絡を取っているのかは不明です」
佐藤氏「想像して下さい。スナイパー達が配備されいる戦場で『ただ今から休戦』と言っても、戦場にいる彼らが止めるとは思わない。ですから4時間の休戦と言ってもできないと思う」
戦闘終了後のガザ統治
イスラエル諜報省の秘密文書
AとBはパレスチナ人居住
A案 自治政府
B案 パレスチナ人による新統治
C案 パレスチナ人はシナイ半島へ
ブリンケン米国務長官の案
ガザにパレスチナ人の居住を認めて、移行期間を経てパレスチナ自治政府を創設。
川上氏「ネタニアフ首相ら右派は元々二国家共存は反対なので『C案ありきのAとB』ただC案は世界の反発大と予想。結局ネタニアフはパレスチナ人を追い出して、『元々パレスチナという土地すべてがイスラエル国家だ』という1国主義。だからネタニアフはヨルダン西岸地区も元々イスラエルだから、という理由で入植する」
佐藤氏「ヨルダン西岸地区のアッパス議長は汚職だらけの政権で、2006年から一度も選挙をしたことない所です。ですから秘密文書のAもBも受け入れないでしょう」
反町氏「イスラエル=ハマス戦後にアラブ諸国は?」
川上氏「関わることはない。イラク戦争の後にアラブ諸国は関わらなかった。関わったら、とんでもないことになることを彼らはわかっているから」
反「となると、ブリンケン国務長官の移行期間なんて無理でしょうね」
川上氏「もしパレスチナという独立国家ができれば、ハマスは政治組織に移行するだけです。移行しなければ内戦をするだけですが、ファタハ(政党)とハマスは内戦をするような関係ではないので」
提言:パレスチナ問題(楽天市場で探す ・ amazonで探す)解決に必要なこと
佐藤氏「パレスチナの英雄。アッパス氏ではない」
川上氏「平和のあり方。イスラエル人が考える」
鈴木氏「二国家解決に向けた交渉。でないと1国家しか道がないので」
川上氏「イスラエルの人々が自分達の平和を求めるのなら『二国家共存しかない』と思う。そのためにはガザと西岸地区を1つにし、さらにエルサレム問題これらをセットにしないと解決できないと思う。二国家共存できれば(両者が納得し)平和になると思う」
その他
反町氏「内閣支持率、自民党支持率の低下について」
佐藤氏「地方を廻って丁寧に説明しないといけないと。片方で増税、片方で減税その元(原資)が国債なので説明すべきと(感じた)」
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ゲスト
手嶋龍一(他のご出演記事・著書など[無い場合あり]amazon・楽天市場) 外交ジャーナリスト
藤和彦(他のご出演記事・著書など[無い場合あり]amazon・楽天市場) 経済産業研究所コンサルティングフェロー
田中浩一郎(他のご出演記事・著書など[無い場合あり]amazon・楽天市場) 慶應義塾大学総合政策学部教授
抜粋
ヨルダンのラーニア王妃「民間人の殺害を強く非難する。イスラエルの同盟国でも、ただ支持するのでは何の役にも立たない」などと停戦を要求しない西側諸国を批判
田中氏「国内に広がるイスラエル批判を抑えるため、あえて西側、アメリカを批判したと思う。つまりガス抜き」
田中氏「イエメンの武装組織フーシ派は、弾道ミサイルを発射していますので、規模でいえば軍です。イランからの技術提供はあると思います」
反町氏「つまりイエメンの準国軍ですね」
手嶋氏「サウジアラビアはパキスタンの核兵器開発を支援しています。タダで支援する国はないので、おそらく有事になるとサウジアラビアの核、イスラエルの核という危険性が中東地域で起こり得る話です」
藤氏「日本は中東の石油が好きなんです。インドネシアは日本から中国へ、ロシア4%は戦争で減少。また、過去に通産省が『硫黄分の多い原油は精製を』という通達が出た点、日本は蒸留の権益を持たないので、結局、不純物の少ない中東の原油の比率が自然と増えました」
田中氏「中東の原油なら既存の施設で精製可能です。一方、アメリカのシェールは低硫黄(不純物が少ない)で軽いので市場価格が高い。シェールのために新規の施設を増設すると採算がとれない。石油施設って結構お金がかかるのです。ですから、日本はアメリカのシェールを輸入することはないでしょう」
田中氏「シーレーンを維持するということなら(原油の輸入量は)現状維持で良いと思いますが、エネルギーを国内で生産するのかどうかが政府文書からは見えない。また防衛面で言えば、継戦能力を維持するためのエネルギーはどうするのか?の議論も見えない」
提言:エネルギー戦略のあり方
手嶋氏「戦略なき国家に未来なし」
藤氏「政府主導の中東依存低下」
田中氏「GXでこそ脱中東」
藤氏「50年前オイルショックがあったので、20世紀内は原油の中東依存度を下げることができました。しかし21世紀になって『官から民へ』となり、民間主導になったことで依存度がまた上がって来ました」
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ゲスト
櫻井よしこ(他のご出演記事・著書など[無い場合あり]amazon・楽天市場) 国家基本問題研究所理事長
宮家邦彦(他のご出演記事・著書など[無い場合あり]amazon・楽天市場) キヤノングローバル戦略研究所研究主幹
抜粋
櫻井氏「乳児の映像を見ると心が痛むがハマスは病院の下に拠点を作る事をやってきたわけでイスラエルは病院に突入せざるをないことを理解すべき。CSIS(シンクタンク)には『イスラエルが勝っても政治的には負ける』と。サウジとの国交が破談したり米議会でも反対派が出た」
米中会談
宮家氏「反町さんは『成果は?』と言うが成果を求めてはいけない。米中間で誤解による衝突を避けるために年に1回ぐらい会うことが大事。例え同じ話が出ても」 櫻井氏「中国は倍々ゲームで軍事力を上げている。米軍兵器をまねて。『(米中は)戦い(の状況)』」
櫻井氏「日本人が中国に捕まっているが、日本も同様のことをすれば良い。それを元に交渉すべき」「7ナノレベルの半導体は作らせないと日米オランダは結束したはずなのに、ファーウェイが作っていたがことが10月にわかった」
7月に海保がブイを発見
上川外相「国連海洋法条約に明文規定がない」
櫻井氏「上川外相が明文規定がないから何もできないと言ったが、明文規定がないのなら撤去しても問題ないと私は思う。瀬踏みされる」
宮家氏「中国とケンカするのか?という話。だから政治意志が重要」
櫻井氏「中国が日本にしているこういった行為(ブイ、尖閣への中国海警局など)は、ハマスがイスラエルにしている行為と同じ。少しずつ〃、追い詰めて『相手が悪い』と世界にアピールする」
櫻井氏「はっきり言って福田康夫(元首相)さんが度々中国へ行っていることが気になる。もちろん福田さんなりの信念があるのでしょうが、それはいかがなものかと我々言論人が言わないといけない」
櫻井氏「岸田さんが残念なのは、言葉は多いがパッションが我々国民に伝わってこない。だから外交で唯一チャンスじゃないですか?その時に相手国にパッションがちゃんと伝わっているのかどうか」
櫻井氏「マスコミよりも経済界の方が問題だと思う。バイデンさんだって本来は対中政策を厳しくしたいのにウォールストリートの意向を伺いながら対中政策を継続している。日本の経済界だって中国との取引の継続を、と政府が言われているからなかなか踏み込めない」
宮家氏「いいですか?以前に比べ、アメリカにいた中国の企業でアメリカから吸収できるものを吸収した所は徐々に撤退しているのです。盗れるものは盗ったから。つまり、経営者が自身のタイミングで方針を変えれば良い」
宮家氏「ロシアウクライナ、イスラエルとなればインド太平洋地域に波及するのは間違いない。そしてハマスの問題が湾岸に飛び火すれば、確実に原油高になって日本経済に影響が及ぶ。ですからロシア、中国、そしてハマスに影響しているイランを注視すべき」
櫻井氏「ユン大統領は以前はかなり日本は厳しかったしかなり左翼的でしたよ。結局、彼だって国益を求めて米韓日韓を選んでいるだけで、変わったのはユンさんの方。日本は韓国の動向とは関係なく動けばよい」
宮家氏「アメリカや韓国の大統領制(任期が決まった)の政権支持率と、日本の支持率を単純比較するのはマスコミの悪いクセ。そもそも明日になれば変わかもしれない数字」
宮家氏「独裁政治は必ず間違いをする。だからといって民主主義による政治が間違いをしないとは言わない。でも、10年20年経って『あの時にあんなことをしなくて良かったね』と言えるのが民主主義だし、それが私は良いと思う」
櫻井氏「中国といった国では国民に自由がない」
櫻井氏「中国のこれまでの王朝は民衆の蜂起によって崩壊してきたわけでしょ?習氏が必ずそうなるとは言わないが、抑制された中国の方が多いわけですから(そういった危険性があるということ)」
提言:激動時代、政治に求められる覚悟
櫻井氏「語るより実行の時」
宮家氏「決断と実行」
反町氏「それって岸田総理への?」
宮「一般論です」
櫻「とりわけ岸田さんにです」
メール後
宮家氏「日中関係を良くして欲しい(=言うべきは言う態度をとる)と思うのなら、岸田さんの方が言いやすいかもしれない」
反町氏「でも支持率が下がっているのに?」
宮「(支持率)それは国内議論での話」
櫻井氏「さっきアメリカから中国の企業が減っているという話があったが、それはアメリカから色々なものを盗んでいたから追い出されているわけ。日本は良いものを持っているのだから(米国にいる)自信を持つべき」
=一方で『中国に技術を盗られないように』という意味あり
拉致問題 46年
櫻井氏「安倍氏以降、拉致を国連に提議し、安倍氏からトランプ(楽天市場で探す ・ amazonで探す)氏へ、そして金総書記に言ってもらってあと一歩という所までだった模様です。現在、水面下で動いているという話は聞いていますが、ぜひ岸田さんには頑張って頂きたいと思う」
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ゲスト
杉山晋輔(他のご出演記事・著書など[無い場合あり]amazon・楽天市場) 元駐米大使 外務省顧問 早稲田大学特命教授
富坂聰(他のご出演記事・著書など[無い場合あり]amazon・楽天市場) 拓殖大学海外事情研究所教授
増田雅之(他のご出演記事・著書など[無い場合あり]amazon・楽天市場) 防衛研究所アジア・アフリカ研究室長
抜粋
増田氏「ウクライナ侵攻(楽天市場で探す)で2022年3月17日、米中で電話会談をしましたが、電話会談をしている時に、中国は内容を発表したことがありました。『中国はアメリカのストーリーに乗りたくないから、先に発表したがる傾向』があって、先に公表したと思う。台湾問題では特に」
増田氏「米中での衝突のリスクは高まっていたと思います。アメリカからそれを見れば『プロフェッショナルではない』『危険な行為』という表現で、中国の行動というのは空も含めて緊張感は高まっていた。結局その意図は台湾問題でアメリカにアピールしたいのでしょう」
「結局、今の中国には国防長官(国防相)が不在なので、万が一に備え、アメリカはホットラインを築きたかったのだろう。バイデン氏から習氏に連絡を取り、軍へつなげてもらうといった」
アメリカが公表した会談の成果
・米中関係安定の重要性で一致
・軍高官対話の再開
・AI(楽天市場で探す ・ amazonで探す)、気候危機、麻薬対策への連携、協力
・台湾情勢の一方的変更に反対
・先端技術の漏洩防止を継続
中国が報じた会談の成果
・米中関係安定の重要性で一致
・軍高官対話の再開
・AI、気候変動問題、麻薬対策の協議、協力
・「台湾統一」に意欲表明、米国の関与をけん制
・半導体などの対中規制撤廃を要求
反町氏「米中会談でウクライナやガザのことは出たのでしょうか?」
増田氏「ウクライナ、ガザという言葉はなかったのですが『地域情勢』という言葉が出て、どうも夕食会で軽く話し合った模様です。アジェンダにしてしまうと公表せざるを得ないのでそれは避けたのでしょう」
7ナノ半導体
反町氏「日本では作れないものを中国は作った?半導体規制は効かなかった?」
富坂氏「いくつかの製造装置を組み合わせて造ったのか?やはり裏から仕入れているのか?それとも有名メーカーが中国向けに製造しているのではないか?など色々噂があります」
中国、7-9月の半導体製造装置の輸入額93%増
増田氏「規制前の駆け込み需要でかなり焦った数だとは思う。ただ日本やオランダの製造装置が規制の網をかいくぐって中国に流れた可能性はゼロではない」
杉山氏「実物を見たわけではないが、規制がない台湾の半導体の可能性も」
増田氏「日本がOSAでフィリピンやマレーシアを支援することで、中国は『日本が外の国へ出始めている』と捉える可能性がある」
杉山氏「ですから『日本はそういうつもり(大戦時のような覇権主義)はないことを対話』すべき」
提言:地域安定のために日本がすべきこと
杉山氏「日本の覚悟」
富坂氏「俯瞰」
増田氏「抑止と外交」
杉山氏「たしかに日本は数十年前アメリカにハシゴを外されそうになったことがあるので、そうならない関係を築くことが大事。それが同盟」
日中会談が仮に実現したら。
杉山氏「ALPS処理水、尖閣、邦人拘束と見出しに出ているが、協力できることは何かを議論すべき」
富坂氏「米中関係を踏まえれば、日本はモテ期。言うべきことは言えたら良いですが、言えないでしょうね」
増田氏「米中会談をなぞるだけでは?」
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ゲスト
林芳正(他のご出演記事・著書など[無い場合あり]amazon・楽天市場) 前外務大臣
朱建榮(他のご出演記事・著書など[無い場合あり]amazon・楽天市場) 東洋学園大学客員教授
抜粋
日中首脳会談の概要(日本側発表)
戦略的互恵関係の推進を再確認
日本産水産物の輸入停止措置の即時撤回を要求
中国が拘束している邦人の早期解放を要求
ハイレベル経済対話開催で一致、輸出管理対話の実施を歓迎
尖閣周辺で軍事活動の活発化に深刻な懸念を表明。日本のEEZ内に設置されたブイの即時撤去を要求
日中首脳会談の概要(中国側発表)
台湾などの重大な原則問題は両国関係の政治的基礎に関わるものであり日本側は信義を厳守し中日関係の基礎が損なわれず揺るがないようにしなければならない
核汚染水の海洋放出は全人類の健康、世界の海洋環境、国際的公共利益に関わる。日本側は国内外の合理的な関心に厳粛に対応し責任を持った建設的な態度をもって適切に処理しなければならない
反町氏「日中首脳会談で中国側が発表した『信義』って何?」 朱氏「それはもちろん台湾関係で、『日本は台湾の独立を支持しないように』という意味です」
日本人拘束(2015年以降)懲役n年
2015年 男性3人(懲役5~12年、死亡)女性:6年
2016年 日中交流事業の男性:6年
2017年 温泉探査の6人(15年:1人、5.5年:1人、帰国:4人)
男性:5年
2018年 大手社員:3年
2019年 男性:12年、北海道大学教授・帰国
2021年 男性・拘束中
2022年 製薬会社・逮捕
ALPS処理水をめぐる日中の主張
岸田総理「科学的根拠に基づく冷静な対応を求めるとともに日本産水産品の輸入停止措置の即時撤廃を要求」
習近平国家主席「日本側は国内外の合理的な関心に厳粛に対応し責任を持った建設的な態度をもって適切に処理しなければならない」
朱氏「核汚染水の問題は日本にあるのに、海外に行けば日本は『反対しているのは中国だけだ』と。反対は中国の若者に多いが」
反町氏「でも声高に反対しているのは中国だけじゃないですか?」
朱氏「韓国の大半だって懸念し台湾も、ロシアだって同調し懸念を表明している」
朱氏「日本は2,3週間前までは中国の非難ばかりで、それまで日中会談をするつもりはなかったはずです」
林氏「じゃ、するつもりがあったのか?という話になりますが、そもそも日本側が『当面、日中会談はしないと(中国側に)言うことはない』と思います」
反町氏「中国は『とりあえず米中関係を密にすれば、日本はついてくるだろう』という見方をしている、という話をよく耳にするが」
朱氏「中国から見れば日本は米と共に中国包囲網をしているように見える。だったら、日本は中国にも目を向けるべきだし、中国へもっと投資を」
反「だったら日本人を返してください。でないと安心して投資なんてできませんよ」
林氏「まず日本には言論の自由があるので、異論を言ったからと言って捕まることはないのですが、2010年でしたか?海保の巡視船に追突してきた船長を中国に返してしまいましたよね?その時から変わってしまったと思います」
朱氏「ファーウェイのスマホを解析したら、日本製の部品は以前は20%だったのが今は2%、一方で韓国のそれは以前は20%程度だったのが、今は20%以上に増えている。つまり韓国はしたたかなんです」
反町氏「韓国は中国外交で閣僚を使う、日本は垂大使を使う、中国側はそれ相応の立場の人間で対応すべきと思っているように見える。つまり韓国はコウモリ外交と言うと悪いが、日本も彼らのようにすべき?」
林氏「どっちが良いのかは、適宜考えるべきだと思う」
提言:日中関係改善の鍵
朱氏「アジアの未来に対する共通責任を。日中で」
林氏「粘り強い対話」
中国が設置したブイについて
林氏「漁業、海洋の安全上を考慮して対応したいと思う。ただ反町さんが言われるように国際法には撤去しても良い、撤去してはダメのいずれも書いていないからフィリピンは撤去されたのだと思います」