12/19・BSフジ・プライムニュース・露が大規模攻撃検討か
侵攻300日&最新戦況 露が大規模攻撃検討か 高橋&畔蒜&鶴岡解説
ゲスト
畔蒜泰助 笹川平和財団主任研究員
高橋杉雄防衛省防衛研究所防衛政策研究室長
鶴岡路人 慶應義塾大学総合政策学部准教授
抜粋
鶴岡氏「制裁に参加していない国といえども、ロシアを応援しているわけではなく、単に自国が巻き込まれたくないだけだと思う。中国、インドもロシアの石油を買い叩いている、ロシアの足元を見ている、中印も支援しているわけではない」
高橋氏「ロシアへの制裁には参加しながらロシアの石油を買う国、つまり窓を開けたままエアコンをつけるといった国が出てくると思う。ロシアを応援しているわけではないという考えでしょう」
畔蒜氏「最近のプーチン大統領の発言を見ていると、現在のキーウ政権を取り上げてロシア配下にすることを、まだ諦めていないと思う。来年さ来年も含め持久戦を覚悟しているよう」
鶴岡氏「ウクライナは供与された武器をうまく使いこなして進軍していますし、戦場で使えることを実戦で証明している。供与する側も成果があるから供与しているわけで、もしウクが進軍できていなかったら武器供与をしないと思う」
鶴岡氏「アメリカはウクライナに提供できる数に限りがあるので韓国から買ってポーランドに武器を提供し、ポ自身は古くなった戦車などをウクライナに渡している場合があります。ポは平時と違って古い武器を新しくできる余力がある」
反町氏「韓国?朝鮮半島が?」
鶴岡氏「韓国は休戦状態ですから」
高橋氏「世界屈指の重火器工業地帯ですから。それにヨーロッパ諸国は戦争が起きると思っていなかったので」
アメリカがウクライナに供与した主な武器(2022/12/9時点)
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地対空ミサイル:スティンガー 1600基以上
対戦車ミサイル:ジャベリン 8500基以上
155ミリりゅう弾砲 142門
ハイマース 38基
攻撃型小型ドローン:フェニックスゴースト 約1800機
河川沿岸・哨戒艇 58隻
無人沿岸防衛艇
高橋氏「哨戒艇というのが映像がないので不明。ただドニプロ川で使われているのだと思う」
反町氏「ロシアが12/16 ICBMのヤルスをモスクワの南、カルーガ州に配備した映像を出したのは?パトリオットへの対抗?」
高橋氏「過去にロシアは核、ダーティボムなど定期的に発言したのと同じレベルだと思う。それにICBMの移動は米軍でも定期的にやっているがその映像を米軍は出さないだけ」
鶴岡氏「パトリオットは防御です、と米軍はアピールしているのでロシアは理解していると思う。その次、パトリオットよりも射程が長いものをNATOが提供した時、ロシアがどのように反応するか?だと思います」
鶴岡氏「パトリオットPAC2という対空を重視し過ぎると、戦車などの実戦配備が手薄になる可能性がある。PAC2には相当数のミサイルが必要とコスト高なので、NATOが弾を提供し過ぎると戦車に回らない」
高橋氏「ウクのミサイルがポーランドに落ちた事故の時、ドイツが地対空ミサイルのパトリオットPAC2をポに配備しようとポに提案したところ『ウクライナにあげた方が』とポが返答」
鶴岡氏「ポにあるパトリオットの数は世界でトップレベル。ただ領土は広い」
反町氏「ドローンをロシアに提供しているイランの狙いは核兵器?」
高橋氏「そうでしょうね」
高橋氏「ロシアが今使ったとされる弾数は、イラク戦争でアメリカが使用した弾数のすでに4倍だそうです。そういった理由からロシアの弾薬は枯渇するだろうと言われていますが、実際の数はわかりませんんし、侵攻前にかなりロシアは備蓄していた形跡があります」
ベラルーシ軍は? 鶴岡氏「小泉氏がよく言われていますがベ軍は弱い」 高橋氏「5万人程度で練度は高くない。戦車は無傷でしょうが軍を貸すことよりもロシアに軍事拠点を貸すでしょう。鶴岡氏が言われたように、ルカシェンコ政権が変わるようなことはロシアは望まない」
高橋氏「ベラルーシ側が進軍するなら、キーウを狙うか?防御力が高いキーウよりも北東のハルキウ方面を攻めて、ウク軍をハルキウ側におびき寄せるといった、色々なパターンが考えられます」
ドイツの会合に参加されていた鶴岡氏「確かに電気代が高騰していますが、ウクライナへの支援、ロシアへの制裁は続けるべきというのがドイツの意見と思われます。当初ドイツ人はドイツやNATOへの攻撃を懸念していた模様ですが、現在はその心配はないと見ています」
畔蒜氏「当初、ウクライナの電力施設への攻撃は軍関係の施設と思われていたのですが、最近は市民向けの電力施設への攻撃も増えていますし、プーチン大統領の最近の発言を見るとそれを認めていると思われます」
私の提言
ウクライナ情勢2023年の注目点
畔蒜氏「ウクライナ南部」
高橋氏「戦場の主導権。凍った地面が融けた季節」
鶴岡氏「結束。対ロシアでも対ウクライナでも。ウクライナの復興の話になりそう」
メール「4州を併合してもロシアには経済メリットは無いはずですが?」
畔蒜氏「過去の栄光のために、未来を先喰いしているだけです」
メール「子供達がなぜウクはモスクワを攻撃しないのか?と聞かれた」
鶴岡氏「モスクワを攻撃すれば、それ以上のことが起きる。モスクワは軍事目標ではないし、相手は攻撃してきてもこちらからは攻撃しないというウクライナの姿勢」
メール「ウクライナは専守防衛だけですか?」
高橋氏「といっても、秘密工作員やドローンで攻撃しています。それは相手になるべく攻撃をさせない、損害限定です。ただアメリカはそれを認めていないので、ウクライナは自分達だけでしている」
反町氏「先日ウクが発表した旧ソ連製のドローン、1000km届く」
高橋氏「使うと思うし、先日のロシアの軍用機地で使われたと思う」