10/5 BSフジ・プライムニュース
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プーチンに歯止めは? 核兵器使用に米が警告 高橋×鶴岡×広瀬ほか
ゲスト
高橋杉雄 防衛省防衛研究所防衛政策研究室長
廣瀬陽子 慶應義塾大学教授
鶴岡路人 慶應義塾大学准教授
抜粋
反町氏「今度、ウクライナの件を米国は国連の総会に出しますが?
鶴岡氏「安易に総会に出さない方が良い場合がある。それは『アメリカとの同調』に不快感を持っている国が多数あるので、仮にロシアの件であっても、それらの国はアメリカ側に立つことを嫌がる可能性」
「ロシアが実施したウクライナでの住民投票について国連安保理決議」
拒否権:ロシア
棄権:中国、インド、ブラジル、ガボン
廣瀬氏「棄権国の数が多く、ロシアは国連で孤立しているとも、していないともいえる状況。米国の植民地だったアフリカの途上国は元々反米感情が強く、逆にロシアには好印象でロシアが「アメリカが・・・」と情報操作が成功している可能性があります」
廣瀬氏「ロシアはチェルノブイリ原発事故を経験しているので、核の脅威をわかっています。それに経済制裁を受けていますが、ロシアは一部のグローバルサウス(途上国)との関係は良好なので、もし核を使ってしまって、それらの国との関係が悪化するのは避けたいはず」
高橋氏「核兵器は通常兵器が役に立たなくなった時に核を使います。先ほど廣瀬さんが言われた、先日のプーチンの演説に核だけでなく動員のことを言った点に注目していて、通常兵器で戦うために動員が必要なのだろう、だからまだ核は使わないのだろうと我々核屋は見ていて、それだけ洗練された演説だった」
高橋氏「皆さん戦術核が使われると想定していますが、戦略核の可能性もある。例えば10ktの戦術核なら半径1km、500ktの戦略核なら半径30km。まず露が求めているのは軍事的効果政治的効果のどっち?政治的効果ならキノコ雲の映像が拡散されて世界がおびえれば良いはず」
反町氏「ロシアが核を撃った場合」
鶴岡氏「米の対応による。経済制裁だったら『弱い対応』とみなされ、日本なら核の傘の信用度が低下。逆に、黒海のロシア艦隊を米NATO軍が攻撃する等の『強い対応』をした場合、今度はバルト三国が危険に」
廣瀬氏「ヨウ素輸入のニュースがあり核の現実味は増していますが、ロシア軍は核を撃てる状況ではないと思います。プーチンは3つのカード動員併合核をきってしまいましたし」
鶴岡氏「核を撃てないのは米とNATOの抑止が効いているからで抑止が効かなくなると危険です。ですから、ロシアに『核を使えば戦争が有利になる』と思わせないように米とNATOが努力することです」
反町氏「核を載せた列車がウクに向けて移動というニュースが」
高橋氏「ロシアの核が保管されている保管庫を監視している、核コミュニティ(核屋)がいるんですが、核は搬出されてはいないとのことです」
反「ニュースは誤報?」
高「と思います」
反町氏「ハイマースの弾数の公表がないのは?」
高橋氏「それはもちろん、ロシアが数えるからです。『あと何発か?』と推定されるからです」
反町氏「クリミアタタール人とは?」
廣瀬氏「クリミア半島のトルコ系先住民。ロシアはクリミアタタール人との関係が以前から悪く、一時期ロシアに強制移住されたことも。今、ロシアはクリミアを併合していますが、クリミアタタール人から優先的に徴兵していると思われます」
メールに対し
廣瀬氏「プーチンの排除で終戦なのですが、依然、支持率は高くロシア国民の間で、元々反米感情が高いため、プーチンが排除される可能性は低い」
高橋氏「核を使うぞといって軍を後退させるのが用途。しかし奇襲攻撃も効果的。ですので使うとしたら、兆候はなくサプライズ的に使う可能性」
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