1/6・BSフジ・プライムニュース・2023年ウクライナ情勢
テーマ
兵頭×小泉が徹底予測 2023年ウクライナ情勢 プーチン戦略と引き際
ゲスト
兵頭慎治 防衛省防衛研究所政策研究部長
小泉悠 東京大学先端科学技術研究センター専任講師
抜粋
ロシアのルデンゴ外務次官のコメント
「岸田政権が平和的発展の道を放棄して軍事化の方向に移行しつつあると指摘、「ロシアやアジア太平洋地域への深刻な脅威だ」と述べた。この方針が継続されれば「ロシアへの軍事的脅威を食い止めるため適切な対抗措置を取らざるを得ない」とも警告」
について
兵頭氏「ロシアの外務省は大統領直轄の実施機関ではありますが、ウクライナ侵攻とは関係のない機関です。そのコメントは日本に対しというより、日本を含む非友好国に対してのコメントと思えるので、内容を気にする必要はあまりない
兵頭氏「中国の対日路線にロシアが寄ってきている方が気になる」
反町氏「戦車と歩兵戦闘車の違いは?」
兵頭氏「歩兵戦闘車は輸送がメイン」
小泉氏「歩兵戦闘車もウクは要求していたリストの1つ。いざという時には攻撃もできるが、現時点はロシアの戦車と対等なものはあえて供与していない模様」
兵頭氏「この程度の供与ならプーチン大統領が激怒しないだろうという欧米の読みがあったのでは?」
小泉氏「砲台を350門供与していますが、ウクは足りないでしょう。1年経ちこのままではいけないとNATOもわかっているので、3月に戦闘が激化すると思うので、それまでに『何を供与するのか!もっと良い物を供与すべきか?』などを議論し始めていると思う」
兵頭氏「ウクライナはもっと本格的な戦車を求めているものの、欧米は『それに準じたもの』として歩兵戦闘車を供与するのでしょう」
兵頭氏「プーチンのクリスマス停戦は、800人の動員が死亡したことで国内世論が高まりかけていたのを避けるためのカードだった可能性」
小泉氏「ロシアは最初の動員の時、『これは第一弾』と明言しているので、再動員はありうるでしょう」 兵頭氏「動員兵が攻撃で大量に亡くなった件ですが、兵舎のそばに弾薬庫があった可能性。つまりハイマースの攻撃で弾薬庫が誘爆した可能性」
小泉氏「ロシアは徴兵制があるのですが2003年からプーチンは徴兵した人達は戦場には動員しないと決定、徴兵は将来の大規模戦争のための練習という位置づけ。よって今のロシアは戦争をしながら、徴兵された人達の練習もしている、という二重苦に」
提言「2023年ウクライナ情勢のココに注目」
兵頭氏「戦争と2024年大統領選挙。プーチンはどちらに力を注ぐのか?」
小泉氏「ゼレンスキー大統領の年末の演説で最後に言ったこと、クリミアとメリトポリ。まだ解放されていない地名を言ったことに注目したい」
メール「どこまで情報が真実なのか不安。報道されていないことで気になることは?」
小泉氏「衛星が多い時代、事実を隠すのは困難なので、心配はしていません」
兵頭氏「ロシアの指揮系統がうまく機能しているのかどうか不透明なので気になる」
メール「ゼレンスキー氏の訪米含め、アメリカはどこまでウクライナをコントロールしている?」
兵頭氏「大半はコントロールできていると思う。ただ、ロシアからのドローン攻撃に対抗する点はアメリカでもできていないと思う」